誰しも決断は間違えたくはないものです。
それでも私たちは間違えてしまうようです。
今回は失敗を避けながらも行動する度に訪れる決断をより良いものにするためにThink right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法 [ ロルフ・ドベリ ]を紹介します。
人間は間違いを犯してしまう思考からは逃れられないことを認めましょう。
いかに先入観を持たずに行動して行けるか、52の様々なワナを知ることでより良い決断を行う回数を増やしましょう。
自分自身の考えを気を付ける
[確証のワナ]とは新しい情報を自分の意見や信念に無理やり合わせて解釈する傾向のことを指すそうです。
多くの人間はは自分の推測の正しさを証明するものを見つけようとします。
一方で賢いとされている少数の人間は人は、自分の推測の誤りを証明するものを探すそうです。
私自身を振り返ってみると多くの人のように正しさを証明しがちだという事に気付けます。
俯瞰的に物事を注視することで思い違いを防ぐことが出来そうです。
選択の不自由さ
なぜ珍しいものには価値がある思い込んでしまうのでしょうか。
さらにそれらを本当に価値のあるものだと判断してしまう[希少性の錯覚のワナ]に私たちは陥りがちです。
また、リアクタンスと呼ばれる心理学用語は、選ぶ自由がなくなると手に入れることができなくなってしまったり、その選択肢が以前よりも魅力的に思えてしまう現象です。
[ロミオとジュリエット効果]と言う方が一般的には聞き慣れているのかもしれません。
希少なものだと意識している時にはどれくらい自分の役に立つかを基準に判断することが特に必要なようです。
自分勝手なイメージ
私たちは経験やイメージしやすい出来事だけで判断を下すことでイメージのワナにはまりやすくなります。
多くの人は思いつく単純な実例を手がかりにイメージを作り上げてしまいます。
それらが想像しやすいと言う理由だけで現実の世界では頻繁に起こらないことを思い浮かべ、あたかも現実であると信じて疑わないのです。
何だか人間の思考は憎たらしいくらい単純で健気ではないでしょうか(笑)
この罠にハマらないための対策は自分と考えの違う人、または自分とは全く異なる経験をして生きてきた人との協力が必要なようです。
人が一人で生きていけないと言われている理由の一つかもしれません。
信用に値する相手を見極めるためには
「この株は値下がりするかもしれませんが回復し将来的には値上がりする株です。」と言われたらあなたは信用しますか?
これは先入観を逆手に取った巧妙なワナであることに気付かなければいけません。
なぜなら、どういう方向に動いても信用に繋がってしまうからです。
株価が悪化すれば予測の正しさが証明され、予測に反して値上がりすればあなたは喜び「値上がりする株」を教えてくれた相手の手柄になるからです。
株を例に上げましたが、勉強や何かの診断にも当てはまります。
騙されないためには具体的な数値設定を行い、達成率を逐次確認していくことといえます。
優れた選択は多くの人が選択しているとは限らない
他人と同じように行動するのが正しいと思ってしまう傾向を[社会的証明のワナ]と呼びます。
向かい側から複数人が必至な形相でこちらに向かってくることを想像してください。
あなたは何かあったのではなかと想像して身体を反転させて同じように逃げたりしますよね?
少なくとも向かっていくような行動を起こす人はいないと思います。
この行動パターンは危険を察知し、他と同じ動きを取る社会的証明のワナが働くからこそ、これまで人類生き残ることが出来ているのです。
しかし実際には、そのような場面遭遇することは現代では非常に稀です。
この章では皆が選択している事が優れている証ではないという考えを持つことです。
多くの人に選ばれているからことが、ほかの選択肢よりも正しいわけではないという事を忘れないで下さい。
1つの理由だけでは推理不足
私たちには1つの観察結果を見ただけでそれがいつでも当てはまると結論づける傾向があるようです。
これを[帰納的推理のワナ]と呼びます。
例えばじゃんけんトーナメントを開催すると1度も負けずに優勝する一人がいます。
しかし、運に左右される部分が多いじゃんけんでは今回の優勝者が次回も必ず勝つと予測する人は何割いるでしょうか。
実際に勝てる確率が低いことは多くの人にはわかるかと思います。
帰納的推理のワナとは「優勝」の部分しか見えていないため、優勝者が次も勝つと断言するようなものなのです。
これは相手を騙すだけではなく、無意識に自分で自分を騙してしまうこともあるため注意したいものです。
なぜ成功の裏にあるリスクに気づかないのか
[別の選択肢のワナ]とは、あることを選択したときに実際に起こらなかったもの、起こる可能性があった全ての可能性を指します。
別の選択肢が私たちの目には見えないため、別の選択肢があったことさえ気づかないことが往々にしてあります。
仮にあなたが預金を預けている銀行が破綻や口座番号の流出などの可能性は限りなくゼロに近いですが、完全なゼロではありません。
銀行に預金しているから安心という考えしか持っていない人は選択肢のワナに陥っていると言えるのかもしれません。
まとめ
これまで見てきたように人間は勘違いを犯すようにできていることは明白ですが、なぜそうなったのでしょうか。
それは人間の脳が変化するスピードよりも周りの環境の変化が追い越してしまったことによるものであるようです。
直感的な思考と理論的な思考にはそれぞれメリットとデメリットが存在し、それぞれをうまく活用することで様々なワナに陥りづらい思考や行動に繋がります。
思い込みや先入観から逃れたい方に手に取っていただきたい一冊です。
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