「結論はなに?」必死に説明した話をそんなパワーワードでねじ伏せられた経験は誰しもあるはずです。
わかりやすく説明できるだけで、仕事や日常においてあなたの評価は劇的に変わります。
一番伝わる説明の順番 [ 田中耕比古 ]から相手に伝わる技術を学んでいきましょう。
自分の思考を相手の思考と共有させることが伝わる説明のポイントです。
印象に残る伝え方や説明するための思考習慣を押さえて周りからの評価を上げましょう。
説明下手な人の特徴
まず説明が不得意な人の特徴を知ることで反面教師にしてください。
大きく3つのパターンに属しています。
①何をどの順番で説明するのか整理できていない
②説明する相手の理解レベルを意識していない
③自分が何を言いたいのか決まっていない
これらをクリアにすることだけでも説得力は今よりも確実に上がります。
相手に説明する前に前もって確認してみましょう。
専門家の話が伝わりにくいワケ
専門家の話は小難しいくて理解しづらくないですか?
話の前提となる知識が私たちに備わっていないことに加えて、(私たちが知らない)専門用語で説明が展開されてしまいます。
さらに厳密な数値や正確な表現にこだわってしまい、どこまで伝えたいのかが明確でない場合が多いと推測できます。
前述の②と③のパターンとなってしまい、私たちは多くの専門家の話が難しいように聞こえてしまいます。
(もちろんすべての専門家が話下手といっているわけではないことご理解ください。)
説明の順番
説明には自分主導と相手主導の2パターンがあります。
自分の主張や結論があり、それらを伝えるパターンを指します。
本書ではゼロから組み立てる「能動的な説明」と表現しています。
自分主導の説明の基本は下記のような型となります。
【自分主導の説明の順番】
①前提を揃える
②結論、主張、本質
③根拠、理由、事実
④補足情報
⑤結論、相手に促してアクション
一方、相手主導の説明では相手の質問に答えながら、伝えるパターンを指します。
自分の主張や結論はなく、相手の問いに対して事実を答える「受動的な説明」と表現されています。
相手の都合を考える
自分の都合に合わせて説明をすることには意味がありません。
説明においては相手にとってわかりやすい順番で話すこと。
すなわち相手が知りたいと思っていることを相手が理解できる順番で話すということが最も大切なポイントとなります。
サマライズとは
サマライズは「文章を短くシンプルにすること」と著者は定義しています。
ポイントは下記の通りです。
・余計な言葉を省く
・短く端的に言い換えられる言葉を探す
・参考情報を削る
文章の省略・簡素化といったところでしょうか。
クリスタライズとは
クリスタライズは「本質を表すキーワードを選び取ること」と著者は定義しています。
ポイントは下記の通りです
・本質は1つではない絶対的な正解はない
・言うべきことを伝えるべきことを決めて適切なワードを探す
・キーワードを作り出しでも構わない
箇条書きに+αするイメージだと意識しやすいかと思います。
情報の可視化
伝えるべき情報が決まっていなければ、説明はうまくいきません。
自分考えと、情報をミックスさせて伝えるべきことを可視化していきましょう。
可視化の手順は以下の通りです。
【可視化の基本手順】
①経験した順番、考えた順番を全て書き出す
②伝えたいことに、赤ペンや蛍光ペンを使って印を付ける
③印のついた部分を塊としてまとめ直す
④塊について再度、文章として書き起こす
⑤塊の並び順=説明の順序を決める
地図を活用する
相手にうまく説明するために地図を用いて共有することです。
冒頭に全体像を示すことが説明での地図となります。
説明において、相手と地図を共有することが非常に有効です。
道筋が書かれた小さな地図と全体が書かれた大きな地図の2種類が存在します。
小さな地図では1人が説明するようなシーンを想定し、大きな地図では複数の人間が発言し議論するようなシーンを意識ながら使い分けてください。
MECE(ミーシー)とは
「Mutually Exclusive Collectively Exhaustive」の頭文字を取った用語です。
意味は相互に排他的であり、かつ完全な集合という状態で日本語では「もれなし、ダブりなし」と訳されます。
このフレームワークを用いることで相手の思考を整理し、相手に伝える情報にもれがなく、重複しないような説明を構造化していきます。
アナロジーを磨く
「〇〇のような。」「〇〇みたいな。」というような表現を使うことをアナロジーと呼びます。
アナロジーを用いることで相手の理解度が上がります。
3つのポイントを押さえてうまく使いこなしましょう。
【アナロジーを向上させるポイント】
①毎日相手が理解しているもの
②ちゃんと似ている
③意外性がある
まとめ
相手にわかりやすく説明するには、相手の立場で順番に文章を構造化させていくことが最大近道です。
気持ちよく説明したい欲望を抑えることで、私たちの説明力も向上していきます。(私自身も今後の投稿に活かしていきたい…。)
ただなんとなく説明することから抜け出して、説明が得意になりたい方に手に取って頂きたい一冊です。
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