要約|観光再生【旅行者と事業者、地域住民の新たな関係を築く】

ビジネス

観光事業はいま最も打撃を受けている業界ではないでしょうか。
原因は新型コロナウィルスに他なりません。

大きな岐路に立たされている観光事業について観光再生 サステナブルな地域をつくる28のキーワード [ 村山慶輔 ]から、元に戻す再生ではなく新しい作り上げる観光を意識してみませんか?

私たちも未来の観光を一緒になって確立させていく時代なります。
サステナブルツーリズム(持続可能な観光)を軸に事業者側はもちろんのこと、地域の居住者や利用者自身の意識改革が必要とされる新たな思考から観光を楽しみましょう。

サステナブル・ツーリズムとは

サステナブルツーリズムと持続可能な観光という意味です。
「環境」「社会」「経済」の3つの観点において持続が可能な観光といえます。

具体的な例では「サスティナブルフィンランド」という、旅行者に向けた誓約を公開しています。

サスティナブルフィンランド
①身軽に旅する
②ハイシーズンを避けて、より長期間滞在する
③公共交通機関を利用する
④地元の人たちを尊重する
⑤地元の色、デザイン、工芸品に親しむ
⑥自然享受権
⑦あるならリサイクル
⑧水道水を飲む
⑨ベジタリアン食を食べてみる
⑩フィンランド人のように生活を楽しみましょう

この誓約からも住んでよし、訪れてよしといったWin-Winの関係目指すことだといえます。

シビックプライド

昨今、シビックプライドというキーワードが注目されているようです。
日本語訳にすると地域住民が、自分たちの住む街に対して抱く誇りや愛着という意味を持ち地域をより良くするための積極的関与を促すものです。

観光事業と旅行者だけではサステナブル(持続可能)を実現できません。
旅行者を優先する観光モデルは終わりを迎え、旅行先(観光する地域)の住人たちへも理解を得ることが必要です。
住民もWin-Winになるように考えを改めていくことの重要性が見直されています。

発想の転換

これまでは「何人の観光客が来た」「訪問者数何人達成」の数だけを追う時代から、どのような人物に来てもらいどれだけの経済的メリットが地域にもたらされたかと言う思考の転換をするべきであると述べている。

もちろん娯楽としての旅行が一本化することによるメリットは大きいです。
ただ人を呼ぶだけのマスツーリズム(観光の大衆化)では、事業者だけでなく地域住民も巻き込んだ観光疲弊が進む恐れを孕みす。
バランスを取りながら量から質への転換が必要不可欠であるようです。

バーチャルツーリズム

zoomやteamsなどオンラインでの会議にあなたも出席したことがあるかと思います。
VRやIRといった先進的な技術開発により観光協会でシュミレーションを増やす動きが盛んに行われているようです。
配信であれば通常足を踏みいれることができない(踏み入れづらい)場所を覗くことが出来ます。
ライブ配信や撮影動画から興味を持つことで実際にその土地を訪れるきっかけにもなりえます。

食の多様化

近年ベジタリアンやヴィーガン、イスラム教でのハラール、ハラームと呼ばれるような食に制限を持つ人々が増加しているようです。
確かに芸能人のヴィーガン告白などもニュースで取り上げられています。
もちろん絶対数を考えれば制限のない人々の方が大多数を占めていることは明らかです。

グループや団体の中に1人でも制限を持った人がいた場合は、対応している店を選びます。
つまり食の制限、禁忌に対応することは制限を持つ人の数以上の経済効果があるといえめす。

仕事と娯楽の共存

ワケーションやロングステイヤーのように観光地域に滞在しながら仕事をする環境は日々整いつつあります。
リモート技術の発達により観光の合間をぬって仕事をすることも現実的世界になったといえるのではないでしょうか。
観光事業からも旅行者が長期滞在すればそれだけ多くの経済効果が見込めるはずです。
一方私たち旅行者側も開放的な仕事が出来る点では、有意義といえるのではないでしょうか。

まとめ

本書はサステナブルの視点から28のキーワードで観光事業の行く末を読み解いています。
新型コロナウィルスの影響で状況が一転した世界の中でも私たちは癒しを求めて観光を欲しています。
観光が本格的に再開された際にすべての人々が満足できる環境作りを意識したいものです。

これから変わりゆく観光の有り方を学べる一冊です。

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