セールスマンから経営者、起業家に至るまでモノやサービスを買って(利用して)もらうために日々奮闘している人々は大勢います。
本書はジョセフ・シュガーマンという有名なアメリカのマーケターが書いたセールスの指南書といっても過言ではありません。
このシュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは [ ジョセフ・シュガーマン ]を読めばあなたも一流のマーケティングが出来る優秀な人材になれます。
マーケティングを成功させる上で、重要なことは「正直さ」であるといえます。
相手にはもちろんのこと、自分自身の発言にも一貫性を持つことが最重要です。
一貫性の原理
あなたは携帯電話を買い替えたとき、買う気がなかったケースや保護フィルムを店員さんに勧められて購入した経験はありませんか?
他にもレジ前に陳列されているアメやガムをついでにレジを通してしまった経験は誰しもあるはずです。
それらが「一貫性の原理」と呼ばれるものです。
人間は自身の行動や発言、思考などを一貫したものとしたいという心理が働くことを指します。
どれほど小さなものでも構わないので、なにか1つを購入決断させることができれば、見込み客から大きく飛躍した顧客になる可能性を秘めているのです。
弱みを信頼につなげる
欠点を最初に提示することにより「売り込まれないぞ!」という警戒心を解く有効な手段になります。
それだけではなくあなたに、正直者という印象を書きかわるとっておきのオプションが付加される可能性すらあるのです。
信頼や敬意が好感となり、相手のハードルはみるみる低くなります。
「弱み」を利用しない手はないですよね?
巻き込みとオーナーシップ
売りたい製品を紹介する時は、あたかも相手がその製品を所有しているかのように話すことで想像力をかき立て購買プロセスへの参加意欲を持たせる作戦です。
この作戦を成功させるためには、製品を手に取ってもらったり「感覚」に訴えかける手法が有効です。
逆説的に考えると、無駄なものを買わないために知っておくべきことであるともいえます。
例えば無料だからといって、むやみに自動車の試乗をしたりすると、必要以上に購買欲が高まってしまいます。
スペックよりも感情
人は感覚で買い物をして、その買い物理屈で納得する思考を持ち合わせているそうです。
ここでは感覚についてのポイントを3つ紹介します。
①どんな言葉でもそれぞれにある感覚を想像させ何らかのストーリーにする
②効果的なセールスはいずれも言葉、印象、感情に溢れ感覚に訴えかける
③感覚的に訴えている。ただし理屈で買い物を納得させる
iPhoneを例にして考えてみてください。
何故わざわざ価格が安いアンドロイドではなくiPhoneを多くの人が手に取るのでしょうか。
もちろん充実した機能であることは間違いありません。
多くの人はApple製品を所有しているという一種の優越感ともとれる感情でiPhoneを選択しているのではないでしょうか。
このように「ブランド力」という感情にに左右されている場合が多いということです。
安心感の重要性
日本製の品質の良さには中国を始めとして世界各国からも評価されているといえるでしょう。
これは「安心感」と言い換えることができます。
製品の品質の良さはもちろんのこと、販売する人間に対しても信頼性が必要だということです。
セールストークに信憑性にかける部分があると、どんなに上手く取り繕えたとしてもお客様に気づかれる可能性は大きいようです。
偽装や虚偽は論外ですが、本当のことでも誇張し過ぎず、全面的に信用してもらえるように誠意をもって接することが安心感につながります。
即決させる切迫感
「本日限り~」「残り〇〇個」「数量限定~」
このような広告を見て購入を決断した経験がある方は多いはずです。
実践されている販売技術からも学ぶべきことは多く、今回の例にとってみるととにかく先延ばし策を使わせず、即決で判断を促す状況を作り出すことが効果的であるといえます。
理由は購入の意思は時間と共に風化し、過去の記憶として薄れていくからです。
即決するべき理由を考えて商談に臨むことで成功確率を上げましょう。
罪悪感で相手に投げかける
試食したり試供品やアメニティを受け取ったりすると、そこまで欲しいものではなかったはずなのに、その相手から「何かを買わなければいけない!」という罪悪感を感じたことはないでしょうか。
相手に良くしてもらったのだから自分も相手に何か返さなければならないという感情が、相手の商品を買うという行為を起こさせます。
心理学用語でこれは「返報性の原理」とも呼ばれています。
相手自身に考えてもらう
好きなった相手に自分のことを一方的に話すぎて失敗をした経験はありませんか?
自分に興味を持ってもらおうとすると、多くの人は説明しすぎる癖を持っています。
これと同じく売ろう、売ろうと意識をその一点だけに集中して間髪入れずに言葉を積み重ねてしまうと、相手の思考が考える間もなく停止してしまいます。
ポイントは適度に難しい言葉を使うこと。
知的な言葉を用いることで相手に印象が残り、さらにそれらを考えることに繋がります。
相手の脳は考えたことを「自分がよく考えて決断した」と勘違いすることで、自己コントロール欲を満たして購買欲がかき立てられるのです。
まとめ
どの法則もふたを開けてみれば「そんなことはわかっている」ということも数多くあります。
わかってはいるけど、意識していなかった点や反芻するべき点が、びっしりと凝縮された30つの内容です。
シンプルにかつ誠実に1つ1つの法則を実行することで、とんでもないセールスマンになれる気がしてなりません。
執筆されたのは○○年ですが、現代のeコマース(ネット販売やアプリ事業)にも十分に対応できるはずです。
何かを相手に売りたい全ての方に手に取って頂きたい一冊です。
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