仕事が続く限り「キャリア選択」を迫られます。
なにが正しくて、なにが間違いなのか悩みは尽きません。
そこで科学的な適職 4021の研究データが導き出す [ 鈴木祐 ]では、あなたにとって最適な職業とは何かを科学的根拠に基づくデータから現時点での最適解を求めるため方法が書き記されています。
満足度を数値化することで、仕事への接し方が明確化されます。
これから仕事を選ぶべき人からいまの仕事を続けていく人まで、具体化して計画的に行動することであなたにとっての適職へ近づけていきましょう。
誰しも間違う仕事の選び方
適職を知る前に、間違ったものさしの種類を知ることが必要です。
仕事選び場面で誰もが陥りがちなミスを知ることで適さない候補を見極めましょう。
①好きを仕事にする
②給料の多さで選ぶ
③業界や職種で選ぶ
④仕事の楽しさで選ぶ
⑤性格テストで選ぶ
⑥直感で選ぶ
⑦適正に合った仕事を求める
いずれのポイントで選択した職では、長期的な人生の満足度には繋がらないと断言しています。
好きでも嫌いでも仕事は仕事
大半の人は現在の価値や好みが最も優れていると思い込み、過去に起きたような変化が未来に起きる可能性を認めようとしません。
興味がある職種や業種に就こうとしてもあなた自身が将来的に興味を持ち続けるとは限らないようです。
実際の世界はめまぐるしく移り変わる状況に応じてあなたの好みと価値観が変わり続けるのです。
ある研究によると自分の好きなことを仕事にしようがしまいが最終的な幸福感は変わらないという結果になるようです。
昇進する幸福とは
「昇進」と聞くと、まず給料が上がることが頭に浮かぶかと思います。
確かに一定の給与額と幸福度は比例するものの、本当に幸福度に繋がるとされていることは「裁量権」だそうです。
会社で上の地位に就くほど仕事の裁量権が与えられ、作業を自由にコントロールできるようになります。
私たちに人間は自己コントロール欲が高く幸福度に直結する仕組みが備わっているためです。
直感が機能しない理由
直感が正しく働くためには次の条件を満たさなければいけません。
①ルールが厳格に決まっている。
②何度も練習するチャンスがある
③フィードバックがすぐに得られる
どの条件を照らし合わせてみても仕事探しには当てはまりません。
直感で仕事を選んではいけないことがわかって頂けたかと思います。
仕事の幸福度を決める7つの徳目
間違えを知った後は、幸福度を高めるための項目を紹介します。
①自由:その仕事に裁量権があるのか
②達成:前に進んでいる感覚が得られるか
③焦点:自分のモチベーションタイプに合っているか
④明確:なすべきことやビジョン評価軸がはっきりしているか
⑤太陽:作業の内容にバリエーションはあるか
⑥仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか
⑦貢献:どれだけ世の中の役に立つか
これらの要素を満たさない仕事は科学的には幸福度が上がらないようです。
逆説として要素が揃った仕事であればどんなに世間の評価が低い仕事でも幸せだということです。
焦点タイプ
性格テストは当てはまらないという状況下で唯一採用できるテストで見極められるのは焦点タイプです。
パターンはシンプルに2つです。
攻撃型…目標達成して得られる利益に焦点を当てて働くタイプ
適した職業:コンサルタント、アーティスト、テクノロジー系、ソーシャルメディア…etc
防御型…目標を責任の意思と捉え競争に負けないために働くタイプ
適した職業:事務員、技術者、経理系、データアナリスト…etc
焦点タイプに合った働き方を選択出来れば、能力を発揮しやすい上に仕事の満足度があがるというデータもあるようです。
他者に貢献する(ここは要確認!!!!)
一言で表すとヘルパーズハイが目指せる仕事をしようということです。
ヘルパーズハイとは親切による幸福度アップの効果を指します。
自尊心、親密化、自律性が満たされることで人間は幸せを感じます。
大事なのはあくまで自分の行為が他人の役に立ったと言う事実を可視化しやすいかどうか。
数値で見る過労の代償
働きすぎは体に悪いことはもはや常識です。
更に数値を確認することでより現実的にイメージすることができるため、数値を知ることで「絶対にならないぞ!」という気持ちで反面教師にしてください。
【週の労働時間によるリスク】
・40時間まで目立った問題はない
・41~48時間になると脳卒中が起きるリスクが10%高まる
・55時間以上は脳卒中のリスクが33%、心疾患リスクが13%、糖尿病リスクが30%高まる
ちなみに厚生労働省は週80時間を超す残業を過労死ラインに定めているようです。
しかし実際は、この基準よりもかなり下の段階から早期死亡リスクが高まるようです。
ギグエコノミーは幸福か?
企業に雇用されずにプロジェクトごとに仕事を請け負う働き方のこと指します。
果たして昨今に日本でもフリーランスや個人事業主と呼ばれるギグエコノミーに近い勤務体系は適職なのでしょうか。
自由に働けるという面では幸福なのかもしれなませんが、不安定な賃金や勤務スケジュール、次の仕事が見つからないなどの不安やストレスにより、長く続けるほどストレスが溜まっていくようです。
つまり、ギグエコノミーも一長一短ということのようです。
幸福を遠ざける職場の特徴
在籍している会社や転職を考えている目当ての会社が下記の8つの項目に当てはまっていないかどうか確認していきましょう。
①ワークバランスの崩壊
②雇用が不安定
③長時間労働
④シフトワーク
⑤仕事のコントロール権がない
⑥ソーシャルサポートがない
⑦組織内に不公平が多い
⑧長時間通勤
これから転職を考えている人も上記を基準にするべきです。
人間の避けて通ることのできないバグ
生まれつき私たち意思決定力には深刻なバグを抱えています。
どれどれだけ意識しようが間違いが生じることを認めることが必要です。
・アンカーリング効果
・真実性の錯覚
・フォーカシング効果
・サンクコスト
・感情バイアス
様々なバイアスの存在を認めた上でそれらに抗うため、私たちが意思決定力を上げる方法は人に頼ることです。
人は誰しも自分のことは自分がよくわかっていると思いたがりますが、実際には自己評価はあてにならなりません。
本当に信用できる友人に頼り自分以外の視点を持つことが重要といえます。
他にも様々なバイアスを取り除く方法があります。
最高の仕事に変える方法
これまで適職についてを解説してきました。
既に就職している人は「転職しなきゃいけないの?」
「今の仕事じゃダメじゃん」と思う方も多いかと思います。
そこで最後は現在の職場をいかに良くするか、今の仕事にどのようなやりを見出すかを考えることにしましょう。
現時点で最も効果が認められているのが「ジョブクラフティング」というテクニックです。
これは自分の仕事を価値観に基づいて捉え直す手法です。
例えばあなたがコピーする仕事を頼まれたとしましょう。
そこでただ言われたままにコピーを取るのか、コピーが歪まないように相手のことを考えて丁寧にコピーを取るのかで、仕事の価値が大きくかわります。
これがジョブクラフティングです。
まとめ
多くの人々は生きるために仕事はしていなければいけません。
どうせ働くのであれば自分に合った適切な職に就きたいものです。
自分に合った仕事はなんなのか…と悩める全ての方に手に取って頂きたい一冊です。
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