要約|脳磨き【脳の筋トレで幸せになろう】

思考・考慮

何をもって「幸せ」と呼ぶのでしょうか。
その答えは私たちの永遠の課題ですが、今回は「脳」に焦点をあてて幸せについて考える題材です。
科学的に幸せになれる脳磨き 人生の豊かさを決める島皮質の鍛え方 [ 岩崎一郎 ]をもとに経済的な安定や豊かさや仕事の働きがい、家族や仲間など…すなわち「生きがい」を脳科学からひも解いていきましょう。

脳磨きとは脳の筋トレのようなものです。脳の筋肉=島皮質と言えます。
島皮質の機能を高めて豊かな人生を送ることができるようです。

島皮質の正体

島皮質は私たちの心に起きる感情や反応に関わっています。
他にも意思力自制心に関わっている重要な部位です。

<島皮質の関わる感情例>
社会的感情/道徳的直感/共感/音楽への感情的な反応/依存/痛み
ユーモア/他者への表現への反応/購買の判断/食の好み

脳の一部ではあるものの他の部位に覆われており外側から見えないからか、
これまであまり注目されていなかったようです。

しかしこの10年くらいの間に、研究者たちから注目を浴びはじめた部位です。

脳を磨く準備

脳を磨く前にどのような使い方をすれば良いのでしょうか。
脳にはアクセルとブレーキに相当する部位があります。

アクセルが活性化することで幸せを感じる仕組みです。
ちなみにブレーキには恐怖心や慎重さを重んじる部分です。

筋トレと同じようにトレーニングと休養を与え、脳全体をバランスを良く強調的に使うことが良いとされています。

脳の磨き方

脳全体をバランスよく使うことこれに限ります。
それに伴いセルフレスにつながる重要6つを紹介します。

①感謝の気持ちを持つ
②前向きになる
③気の合う仲間や家族と過ごす
④利他の心を持つ
⑤マインドフルネスを行う
⑥AWE体験をする

幸せに近づくには

幸せになりたいという思いは幸せを遠ざけるようです。
同様に悲しみを抱えている人は幸せをつかみにくくもなるようです。
これはハーバード大学が行った研究結果により、タイムディスカウトが大きい人ほど幸せから遠ざかっていしまいます。

タイムディスカウント(またはディレイディスカウント)とは時間経過とともに価値を割り引いてしまう脳の特性を指します。

感謝の種類

感謝には2つの種類あります。
一つは恩恵的感謝(本書ではDoingの感謝と呼びます)で、もう一つは普遍的感謝(本書ではBeingの感謝と呼びます)です。

恩恵的感謝では自分に良いことがあったと解釈できるときに感謝する方法
一方、感謝の気持ちをいつも感じている心のあり方のことを指します。
脳磨きでは普遍的感謝を目指します。

前向きであることの大切さ

どんな人が前向きになれるのでしょうか。
良い結果が出たから前向きになれるのではなく、前向きになるから良い結果が出るようです。

たとえストレスを抱えている状態でも自己受容感を高めた人(=前向きになっている人)は
脳機能が高まるという研究結果もあります。

前向きになろうとするときあるいは前向きであろうとするとき意識するべき13の感情です。
喜び/愛/感謝/感嘆/高揚/畏敬/平成/興味を持つ
希望/誇り/楽しみ/ひらめき/謙虚

ネガティブ感情の役割

ここまでの話を通してみるとネガティブは悪いもの見えるかもしれませんがネガティブな感情にも大切な役割があります。

それぞれの感情が脳に与える影響は以下の通りです。

【ポジティブな感情の場合】
・パフォーマンスを高める
・ストレスを下げる
・幸福感を高める
・意識や視野を広げて長期展望を見やすくする

【ネガティブな感情の場合】
・狭い視野で課題を見つけやすくする
・混乱している状態を教えてくれる
・利他の心を少なくし直近の課題にフォーカスする
・FF状態を引き起こして危険に対処する

 ※FF状態とはfight or flightの訳(危険を察知した際、一目散に逃げるのかどちらかを選ぶということ)

孤独の危険

孤独はなによりも脳にとって毒になるようです。
シカゴ大学の研究によれば、孤独な状態が続くと新しく脳細胞を生み出す脳内ホルモンであるBDNF(脳由来神経栄養因子)の生産数が減ります。

他にも脳内ホルモンや神経伝達物質の減少をすることが確認されています。
ひとりでいる事と孤独を感じる事は違い人とのつながりは数よりも質が大切とされているので、SNSのフォロー数をだけでは測れないともいえます。

マインドフルネス

マインドフルネスの第一人者として知られているジョンカバットジン氏の定義はこうです。

マインドフルネスとは今この瞬間に、余計な判断を加えずに、
自分の人生がかかっているかのように真剣に意識して注意を向けること

マインドフルネスとは最近の概念に思えますが、日本仏教の前と同じ原理に基づいているものとも取れるようです。

GoogleやFacebook、ゴールドマン・サックス、インテルなどもマインドフルネスを取り入れた研修を行っていることからも重要度は高いといえます。

AWE体験とは

AWE体験とは大自然の凄さに圧倒され、自分がし悠久の時の流れの中では小さな点にしか思えず謙虚になることを指しています。
AWE体験をしているときの脳はとても活性化していることが多くの研究から明らかになっています。

先日ご紹介した最高の体調の「畏敬の念」とも呼べるかもしれません。

まとめ

日頃の生活から自分に何かできることはないかと利他的な行動を取ろうとすることで、あなたの島皮質は成長していくはずです。

脳磨きを取り入れてみたい方に手に取って頂きたい一冊です。

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