ベストセラーとなったら[LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略]の続編となります。
今回は世界でも高齢化社会となっている日本メインとした題材となっており、前作を思想とするなならば、本作は実践的な内容と言えるでしょう。
100年時代に焦点を当てることに加えて本作ではテクノロジーの進化についても触れており、仕事を奪われることに対するリスクマネジメントも必要だと再認識させられます。
それではLIFE SHIFT2(ライフ・シフト2) 100年時代の行動戦略 [ アンドリュー・スコット ]の知識を読み解いていきましょう。
マルチステージへの移行を成功させるカギは年齢に可変性を持つことです。
そして大きな時代の変化を乗り越えるには何よりも先に動き行動しながら、周囲との関係性を築くことです。
4つの法則と新しい変化
現代テクノロジーは4つの法則が組み合わさった結果としてAIとロボット工学が空前の進歩を遂げており、時代の行く末にも注目が必要です。
①ムーアの法則
②ギルダーの法則
③メトカーフの法則
④バリアンの法則
これらによって生み出されるもの新しい製品だけでなく新しい仕事であったり新しい産業、新しい価値観をもたらします。
AIとAIGの違い
現代の人工知能(AI)は非常に優れていますが、人間のような知性は持ち合わせていません。
人間が実行できる知的課題を全て行える汎用人工知能(AGI)の開発が究極の目標といえますが、その反面汎用人工知能(AGI)が生まれれば、機械があらゆることで人間を凌駕する世界となってしまうかもしれません。
私たちは人工知能と汎用人工知能の違いを明確に理解することで、従来型の雇用に固執せずキャリア設計/構築していく必要があります。
可能性を広げる未来
テクノロジーの進歩によって満足いく生活水準の確保と人間としての可能性の開花の両方を実現していく必要があります。
人生のストーリーを描きながら、様々なキャリアの選択肢からなにを選ぶか、有意義な人間関係を構築するためのあり方に着目していきましょう。
年齢の可変性を前提に行動するべきだとも説かれています。
あなたに何が出来るかはバースデーケーキのろうそくの本数で決まるわけではありません。
「〇〇歳だからやらない」というしがらみを取っ払って行動してみようということです。
雇用の未来
将来つきたい仕事について考える場合、機会に雇用奪われないために自動化を妨げる4つの要因について留意することが大切になりそうです。
①非定型的な業務が占める割合が大きいこと
②付加価値の高い業務に遂行できる可能性があること
③自動化を妨げるような環境があること
④自動化が費用対効果の面で得策では無いこと
既に仕事についている私たちは今後の雇用が自動化される可能性を孕んでいます。
キャリアの流動性が高まるマルチステージの人生を送るには主体的に選択を行うこと、つまり次のステージに進むための新しいスキルを学ぶための時間を割くことも大切な位置づけだといえます。
AIによる新しい仕事が生まれていることも事実ですので次の仕事に移行するための準備期間とポジティブに捉えましょう。
テクノロジー進化の恩恵
テクノロジーによって私たちの年収は200年前より30倍近く上がり、労働時間は130年前の半分になったと集計されています。(物価の影響や付帯業務もあるため一概には定義できない気がしますが…)
私たちの進んでいくマルチステージの人生では余暇や家族と過ごすまとまった時間を取ることが、将来において現代よりもさらに実現しやすくなるという面もあることを忘れてはいけません。
周囲との関係性
マルチステージを生き抜いていく上で家族関係はもちろんのこと友人や地域との関わり合いの時間を持ち、世代間の隔たりをなくすことも必要です。
例えば昨今増えてきている夫婦共働きについて考えてみると、家事を分担せいにしたり時にはルンバや洗濯乾燥機といった新しいテクノロジーを用いて手間を省く方法を対話しながら協力関係を深めていくことも手段の一つです。
まとめ
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人間の知力が衰えていく過程を熱可塑性物質(熱で形状が変わる物質)として説かれていたようです。
すなわち、年齢を重ねるにつれて頭脳は冷えて固くなり形が変わりにくくなることを表現したいようです。
近年の研究によればこれは間違いで、人間の脳は年齢を重ねても可塑性を維持し続ける構造になっています。
新しいことを学び続けることが流動的なマルチステージを生き抜く最大のポイントなのかもしれません。
先が長い私たちの人生の行動戦略を学びたい方に手に取って頂きたい一冊です。
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